ここから本文です。
更新日:2019年11月29日
今、県内各地で「読み聞かせ」の活動が盛んに行われています。
読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当
エリッヒ・ジョース文 マレン・ブリスバルター画 女子パウロ会訳 女子パウロ会 2019年
|
クリスマスの季節ですね。西欧ではこの時季になると、イエス・キリストの誕生を祝福した東方の三人の王さま(三学者)の伝説にちなみ、子どもたちが王さまの扮装をして、家々を回って施しを受ける風習があります。これは、その最中の子どもたちのお話。 ある三人の兄弟が、王さまのまねをして家々を回ります。たきぎをくれる人、パンやミルクをくれる人。三人の王さまは喜びますが、自分たちより困っている人のために、たきぎや食料を分け与えようとします。赤ちゃんには何をプレゼントしよう?ちびっこ王さまが思いついたプレゼントとは……。クリスマスの本来の意味を感じることができる、心あたたまるお話です。 |
とうごうなりささく 福音館書店 2017年
|
大晦日の夜、「ぼく」は年越しそばを食べて、お風呂にも入って準備万端です。ちゃんと起きていられたら、パパが除夜の鐘を突きにお寺へ連れて行ってくれるのです。暖かい格好をして、パパと二人で静かな夜道を歩きます。お寺に着き列に並んでいると、除夜の鐘が鳴り始めました。いよいよ順番が回ってきて、パパと一緒に大きな鐘を突きます。 いつもとは違う大晦日の夜が、「ぼく」の目線で描かれた一冊です。初めての体験にわくわくしている「ぼく」の様子が、白黒の版画で表現されています。
|
山本りくお著 文溪堂 2019年
|
熱があって起きられない、今日の「ぼく」。弟が子ども園に行ったあとは、お母さんにいっぱい甘えてみます。「ぼく」の世話をやきながら、お母さんはお洗濯やお掃除で忙しくしています。「おかあさんが びょうきになったら どうすれば いいんだろう」と思ってしまうほど。でも、おかあさんに絵本を読んでもらったり、パズルをしたり、一緒に歌も歌ったり。「ぼく」がお母さんとだっこをしながらする約束に、読むほうも胸をうたれます。 お母さんをひとりじめできたぼくの「とくべつなひ」は、弟の帰宅で終わるかに見えますが、弟のおかげでまだ「とくべつなひ」は続きます。小さな幸せがずっと続きますようにという、そんな穏やかな気持ちにさせてくれる絵本です。
|
ジャック・ガントスさく ニコール・ルーベルえ こみやゆうやく PHP研究所 2013年
あくたれねこのラルフは、セイラのねこです。いたずらが好きなラルフは、いつもセイラに怒られています。ある朝ラルフが目を覚ますと、パーシーというかわいいねこがセイラに抱かれていました。仲良くするように言われても、ラルフはパーシーに意地悪をしてばかりです。ところがクリスマスイブ、セイラの膝の上にはパーシーがいて、ベッドも取られてしまいました。「セイラは ぼくより、こいつのほうが すきなんだ…」と悲しむラルフでしたが……。 いたずらばかりのあくたれねこラルフと、そんなラルフが大事なセイラの、クリスマスのお話です。
|
エマ・ヴィルケ作 きただいえりこ訳 朔北社 2019年
|
ページを開くなり、困り顔のおじさんが登場。「きみ、ちょうど いいところに きてくれた! めがねが みつからないんだ。 みなかったかい?」おじさんのしたくは、めがねに始まり、ぼうし、ネクタイ、くちひげと、どんどん増えていきます。おじさんの要求に応える側も、時々おかしないたずらをするのが笑えます。最後に、ばっちりかと思われた、おじさんのしたくには、大きな欠点があって……。明るい終わり方に、元気がもらえます。子どもと一緒に「それでいいのか?」と、つっこみながら、読んでほしい一冊です。
|
谷川晃一作 童心社 1999年
|
「ウラパン・オコサ」とは、この本で使う数のことです。1は「ウラパン」、2は「オコサ」と数えます。3以上はオコサを先に数え、残りをウラパンで数えます。例えば、3なら「オコサ・ウラパン」、4は「オコサ・オコサ」、5は「オコサ・オコサ・ウラパン」になります。 ルールが確認できたら、お孫さんと一緒に「ウラパン」「オコサ」と数えて、遊んでみてください。絵本に出てくるものが数えられるようになったら、身の回りのものを数えても楽しめます。呪文のような二つの数が登場する、不思議な数の絵本です。 |
山梨県立図書館のサイト