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更新日:2022年12月20日

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2023年1月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

サイモンは、ねこである。

ガリア・バーンスタイン作 なかがわちひろ訳 あすなろ書房 2017年

2023年1月絵本1

サイモンは、灰色のトラ模様の猫です。ある時サイモンは、ライオン、チーター、ピューマ、クロヒョウ、トラに出会いました。サイモンが「ぼくたち、にてますね」というと、5頭は大笑い。ライオンは立派なたてがみと尻尾のふさを持ち、世界一早く走るチーターの足はすらりと長く、他の動物も、小さくコロコロとした猫とは違う特徴を持っています。「なんとなく みんな にてると おもったんだけど……」としょんぼりするサイモンをみて、5頭はお互いを見比べてみました。一体どこが似ているのでしょうか。

猫好き、動物好きのお子さんにおすすめの絵本です。5歳頃から楽しめます。

エゾオオカミ物語

あべ弘士作 講談社 2008年

2023年1月絵本2

ある寒い冬の夜、集まってきたモモンガたちに、ふくろうおじさんがエゾオオカミと人間の歴史を語って聞かせています。昔、北海道にはたくさんのエゾオオカミが住んでいました。春には赤ちゃんが生まれ、よく食べよく遊び、元気に育つと、群れになって狩りをします。大昔からこの地に住んでいたアイヌの人々とも、互いに恐れ、尊敬しあいながら生きていました。しかしある時、長く降り続いた雪で森が埋まり、エゾオオカミの獲物であるエゾシカが、何頭も死んでしまいました。さらにその頃、本州や四国、九州からやってきた人々による北海道の開拓が始まりました。それまで保たれていた生態系のバランスが崩れ、人々との関係も変わってしまい…。

エゾオオカミの絶滅を描いた、動物と人間の関係を考えるきっかけになる絵本です。小学校低学年向けです。

ママに読んでもらいたい本

アナベルとふしぎなけいと

マック・バーネット文 ジョン・クラッセン絵 なかがわちひろ訳 あすなろ書房 2012年

2023年1月絵本3

真っ白な雪が降り積もった小さな町で、主人公のアナベルは、色とりどりの毛糸が入った小箱を拾います。アナベルは、毛糸を使い、暖かいセーターを編みました。毛糸が残っていたので、犬のマースにもセーターを編みました。クラスのみんなや、先生、お父さん、お母さん、町中の人、さらには町中の動物、建物や車にまで次々とセーターを編みますが、まだまだ毛糸はなくなりません。アナベルと不思議な毛糸は世界中で話題になりました。ところがある日、毛糸を自分のものにしようとする人が現れ…。

暖かい毛糸で包まれた町の様子をカラフルに描いています。寒い季節にぴったりの一冊です。

ふしぎなガーデン

ピーター・ブラウン作 千葉茂樹訳 ブロンズ新社 2010年

2023年1月絵本4

リーアムは、外で遊ぶのが大好きな男の子です。リーアムは、建物ばかりで庭や草木がない、味気ない街に住んでいます。空は暗く、道を歩いている人も見当たりません。ある日リーアムが散歩をしていると、廃線となった鉄道の線路の上に、今にも枯れそうな小さい草花を見つけました。「たすけてあげなくちゃ」と思ったリーアムは、次の日から水をやり、枝を切り、まるで庭師のように草花の世話を始めました。すると、徐々に雑草やコケが生えてきて、後から色とりどりの花も咲き始めました。緑は線路の先へ先へと伸びていき、やがて街中に広がりました。すると、新たな庭師になる人や、外に出て散歩をする人が現れました。小さな庭師の力が街を変えていきます。

実話をもとに、自然の生命力を描いた絵本です。5、6歳からおすすめです。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

おもち!

石津ちひろ文 村上康成絵 小峰書店 2015年

2023年1月絵本5

今日はお餅つきです。まずは男の子が挑戦します。蒸したもち米をこねたら、杵でつきます。手に水をつけてお餅を返し、合いの手を入れるのは、猫です。「ぺったん ぺったん ぺたぺったん」。すると、もちもち、ねばねばのお餅が「ねばねばり~ん!」と伸び、うさぎの形のお餅が飛び出してきました。次は、女の子がお餅つきをします。「ぺたぺた ぺったん ぺたぺったん」「のびのび~ん!」今度はどんな形になるでしょう。

お餅つきの様子を、軽快なリズムのある擬音語を使い描いています。家族でお餅を食べるお正月に読んでほしい一冊です。

ぶす

もとしたいづみ文 ささめやゆき絵 講談社 2007年

2023年1月絵本6

ある屋敷の主人が、家来のたろうとじろうに厳重に縛った壺を見せ、留守の間、絶対に近づいてはいけないと言いつけています。壺の中には「ぶす」という猛毒が入っており、壺の方から吹く風に当たるだけで死ぬというのです。しかし、主人が平気な顔で壺を抱えていたため、不思議に思った二人は、壺の中を見てみることにしました。危険な風に当たらないよう、「あおげ あおげ。」「あおぐぞ あおぐぞ。」と扇子であおぎながら近づいていきます。おそるおそる紐を取り、次にふたを取りました。そしてついに中をのぞき込んだたろうは、なんと「ぶす」を食べてみたいと言い出しました。じろうが必死に止めますが…。

室町時代の狂言「附子」をもとにした絵本です。小学校低学年向けです。