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更新日:2023年7月20日

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2023年8月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

2ひきのカエル

クリス・ウォーメル作・絵 はたこうしろう訳 徳間書店 2022年

2023年8月絵本1

大きな池の中心に浮かぶ睡蓮の葉の上に、2匹のカエルがいます。そのうちの1匹は、棒切れを両手で抱えています。「なんで また、そんな ぼうきれ かかえてるのさ?」と聞かれると、犬に襲われたら「バンバーン!」と撃退するためだと答えました。もう1匹のカエルが呆れて、「こーんなに とおくまで およげる犬も いるわけ ないね」と言うと、棒切れを持ったカエルはすかさず、「犬のほうも すいえいのチャンピオンだったりしたら どうすんだよ」と言い返します。もう1匹のカエルはバカにして笑い転げ、池に落ちてしまいます。すると、カエルに気がついたカワカマスが、大きな口で2匹のカエルを飲み込もうとして……。

2匹のカエルの会話に思わず笑ってしまう、ユーモア溢れる絵本です。カエルの質感まで想像できるようなリアルな絵で描かれています。4、5歳頃から楽しむことができます。

マチルダとふたりのパパ

メル・エリオットさく三辺律子やく 岩崎書店 2019年

2023年8月絵本2

パールが通う学校に、転校生マチルダがやってきました。マチルダは足が速くて、木登りができ、泥遊びが大好きです。一緒に遊んだパールは「わたしと そっくり!」と喜びました。次の日、登校時にマチルダとマチルダのパパを見かけたパールは「あれ?」と思いました。「きのうと おとうさんが…… ちがうんだ!」。不思議に思ったパールが「おかあさんは どこにいるの?」と聞くと、マチルダは答えました。「うちは おとうさんが ふたりなの。」

主人公パールが同性の両親を持つ転校生マチルダとの出会いを通し、いろいろな家族の形があると理解するまでを描いた絵本です。

ママに読んでもらいたい本

 

スキップスキップ

あまんきみこ作 黒井健絵 ひさかたチャイルド 2020年

2023年8月絵本3

えっちゃんは、つい昨日、スキップができるようになりました。「スキップ スキップ たん たたたん」。歌いながらスキップをして広場に向かいます。嬉しそうにスキップするえっちゃんを見て、「ぼくも やってみよう」と子猫や子犬も加わり、みんなでスキップをします。赤いポストの角を曲がると、泣いている男の子がいました。えっちゃんが「あたしたちと スキップしながら いきましょ」と言うと、子猫と子犬が、えっちゃんから教わったことを男の子にも教えてあげます。「うれしいことが あるから スキップするんじゃないよ。スキップすると、うれしくなるんだよ」。

みんなとスキップを楽しむえっちゃんの様子が、柔らかいタッチで描かれています。「スキップ スキップ」とえっちゃんが繰り返し歌う言葉のリズムも楽しんでみてはいかがでしょうか。

ぼくのいちにちどんなおと?

山下洋輔文 むろまいこ絵 福音館書店 2016年

2023年8月絵本4

僕、こうちゃんが一日を過ごす時、周りではどんな音がしているのでしょう?朝です。「おはようございまーす」。僕はベッドで目を覚ましました。「ぴちゃら ぱしゃら ぷるぷるぷる」。これは顔を洗う音です。服を着て幼稚園に行く途中、犬と猫がいて、ケンカを始めました。猫は「にゃごら にゃごら きばがきがき」、犬は「ほらおん ほらおん ぐわわんわん」と吠えています。幼稚園につきました。さて、どんな音が聞こえるかは本を読んでのお楽しみです。

ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんが、音に注目して子どもの一日を描いた絵本です。こうちゃんの身の回りで聞こえたリズミカルで不思議な音を、親子一緒に声に出して楽しんでみませんか。同じ作者の絵本『もけらもけら』や『つきよのおんがくかい』、『ドオン!』もおすすめです。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

 

お月さんのシャーベット

ペク・ヒナ作長谷川義史訳 ブロンズ新社 2021年

2023年8月絵本5

ある暑くて寝苦しい夜、おばあちゃんが集合住宅のベランダにいると、「ぽた・・・・・ぽた・・ぽた」という音が聞こえました。空を見上げてみると、「あれまあ えらいこっちゃ。お月さん とけてはるがな」。まん丸のお月様から、黄色いしずくが、次から次へと地面に落ちてきて……。

暑い夏にぴったりのファンタジー絵本です。一つ一つの場面は、集合住宅のミニチュア模型の中に、紙で作った人形を配置して撮影した写真で作られています。作者は韓国の絵本作家、ペク・ヒナさん。関西弁で翻訳されています。県内の公共図書館司書が選んだ「こどもにすすめたい本2022」(幼児向け)の一冊です。

まほうの夏

藤原一枝作 はたこうしろう作・絵 岩崎書店 2002年

2023年8月絵本6

都会に暮らす僕と弟は、夏休みに入って退屈しています。お父さんもお母さんも仕事でいないので、家でゲームをしたりポテトチップスを食べたり、毎日同じようなことをして過ごしていました。「あーあ、なにかおもしろいことないかな・・・・・・」。そんなある日、お母さんの田舎のおじさんから「あそびに来んのか」と書かれたハガキが届き、僕たちは大喜びでおじさんの家に行きます。

田舎では、木登りをしたり釣りをしたり、いろいろな遊びをしました。おじさんが連れて行ってくれた海水浴では、泳いでいる小さな魚を水中めがねでたくさん見ることができ、夕方には海に沈む大きな夕日を眺めました。

夏休み、大自然の中で存分に遊び成長した兄弟を描いた絵本です。