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更新日:2023年6月20日

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2023年7月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

はなびのひ

たしろちさと作・絵 佼成出版社 2018年

2023年7月絵本1

「はやく よるに ならないかなあ」。今日は待ちに待った花火大会の日です。子ダヌキのぽんきちは、花火職人のお父ちゃんが打ち上げる花火が楽しみで、夜を待ちわびていました。すると、お母ちゃんから、お父ちゃんに夜食を届けるよう頼まれます。「いってきまーす」。うきうきと歩き始めたぽんきちを見て、長屋のおかみさんたちは、「ちょいと ごらんよ、ぽんきちが でかけるよ。もう はなびの じかんかい」と勘違いして、ぽんきちについて行きます。それを見た町の人たちも、もう花火の時間かと後から後からついて行き……。

江戸時代をイメージさせる町に暮らす動物たちが、花火大会を楽しみにしている様子をユーモラスに描いた絵本です。

ゆうだちのまち

杉田比呂美作 アリス館 2016年

2023年7月絵本2

とても暑い夏の午後、ゆきちゃんはお父さんと買い物に出かけました。地面には影がくっきりとうつっています。歩いている途中、ゆきちゃんは急に影が消え、真っ青だった空に灰色の雲が出てきたことに気づきました。すると、ぽつんと冷たい雨が降ってきました。「ぽ・ぽ・ぽつん」、湿った土の匂いがします。「ゆうだちが きそうだ」とお父さんが言い、「ゆうだちって なあに?」とゆきちゃんが聞いたその時、「ぱつん ぼつん ばらばらばら!」と大粒の雨が勢いよく降ってきました。

女の子が初めて夕立を体験し、空の変化や雨の激しさに驚いたり、楽しんだりする様子を描いた絵本です。

ママに読んでもらいたい本

たかくとびたて女の子

ラケル・ディアス・レゲーラ作 星野由美訳 汐文社 2020年

2023年7月絵本3

アナは、世界一のパイロットになるのが夢です。マリーは、立派なバイオリン弾きを目指しています。ヒメナは本を読むのが好きで、有名な作家になりたいと思っています。夢に向かう3人の小さな女の子は、ヤルキさんが作った翼を身につけています。ところが、夢を邪魔しようとする悪の軍団が現れ、女の子は「もっとすらりと、ほっそりと」と外見ばかりを気にさせ、「かわいくあるべき」と押し付け、3人が飛べないようにポケットや靴に小石を詰めこみました。すると3人はやる気を失ってしまい……。

性別のイメージにとらわれず、夢に向かって高く飛び立とうとする3人の女の子を描いたこの絵本は、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標の一つ「ジェンダー平等を実現しよう」を考えるきっかけにもなる一冊です。小学校低~中学年向けです。

ロビンソン

ピーター・シス作 高柳克弘訳 偕成社 2020年

2023年7月絵本4

ピーターは、いつも友達と海賊ごっこをして遊んでいます。学校で仮装パーティーが行われることになり、ピーターは仲良しの友達と海賊になろうと決めました。ところがママは、ピーターの大好きな物語のヒーロー、ロビンソン・クルーソーになってはどうかと提案します。冒険が大好きなピーターには、無人島でサバイバル生活をして生き延びたロビンソンがぴったりだと言うのです。ママが作った衣装を着てロビンソンになったピーターは、はりきって学校へ行きました。けれどもロビンソンの物語を知らない友達から大笑いされます。すっかり落ち込み、寝込んでしまったピーターは、いつの間にかロビンソンの物語の世界に入り込み、無人島にたどり着きます。

作者、ピーター・シスの子ども時代の体験を元に、夢の中の冒険と友情を描いた絵本です。小学校低学年向けです。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

いそあそびしようよ!

はたこうしろう・奥山英治作 はたこうしろう絵 ほるぷ出版 2015年

2023年7月絵本5

夏休み、例年通り毎日海で遊ぼうと思っていたぼくは、お兄ちゃんに磯に行こうと誘われました。砂浜の端にある、岩が密集している磯には、海の生き物がたくさんいます。磯に着き、岩のすき間の潮だまりをじーっと見つめていると、貝がらが動いているのを見つけました。お兄ちゃんは、「ヤドカリだよ。いろんなかいがらを いえに してるのさ」と教えてくれました。ぼくとお兄ちゃんは、イソギンチャクを指で押したり、食べるとおいしいカメノテを取ったり、ヒトデをひっくり返したりして遊びます。

磯での遊び方や、磯で暮らす生物の生態や豆知識を描いた絵本です。お子さんと一緒に、磯の生き物の世界をのぞいてみませんか。4、5歳から楽しむことができます。

つかまえた

田島征三作 偕成社 2020年

2023年7月絵本6

男の子が川に行くと、浅瀬にじっとしている大きな魚を見つけました。捕まえようと川に近づくと、足が滑り、真っ逆さまに落ちてしまいます。水の中でもがき手を伸ばすと、やっと魚に触ることができましたが、するりと逃げられてしまいます。「にがすもんか にがすもんか」と魚を追って一生懸命泳ぎ、捕まえようとすると、魚は手の中でぬるぬるし、握るとぐりぐりと動き、男の子は「いのちがあばれる」のを感じます。

川の中で格闘する男の子と魚の姿が、ページいっぱいにダイナミックに描かれ、命の尊さや強さが伝わってくる絵本です。5歳くらいから楽しめます。