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更新日:2022年9月20日

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2022年9月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

なずずこのっぺ?

カーソン・エリスさく アーサー・ビナードやく フレーベル館 2017年 

202209book1

地面から植物の芽が生えてきました。羽のある虫たちが芽を見つけて「なずず このっぺ?」「わっぱど がららん」と話しています。植物がぐんぐん成長し、葉が茂ると数匹の虫がツリーハウスを建て、遊び始めました。ところがある日、大きな蜘蛛がやってきて、植物を蜘蛛の巣で覆ってしまいます。ツリーハウスから追い出された虫たちはこぶしを振り上げ、蜘蛛に向かって叫びました。「ムクジャランカ!」「にきざりき ムクジャランカ!」。さて、いったい何と言ったのでしょう?

この絵本には、たくさんの虫が登場します。セリフはすべて「なずず このっぺ?」といった虫たちの言葉で書かれています。虫たちの表情や動きを絵で見て確かめながら、親子一緒にどんな意味か想像して楽しんでみませんか?4・5歳から小学校1・2年頃まで楽しめる絵本です。

ゴリラさんは

北村裕花作 講談社 2021年

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ゴリラさんが大好きなバナナをたくさん抱えて歩いていると…「ぬん。」現れたのは、ニホンザルです。バナナをじっと見ています。そこで、ゴリラさんはバナナを1本あげました。さらに歩いていくと、「ぬぬん。」と今度はマンドリルの親子が現れました。ゴリラさんは、またバナナをあげました。こうしてゴリラさんは、サルの仲間たちに出会うたびに1本ずつバナナを分けてあげましたが、ついに最後の1本になってしまい…。

心優しいゴリラが登場するお話です。物欲しそうにバナナを見つめるサルたちの表情も、ユーモアたっぷりに描かれています。山梨県内の図書館員が選んだ「こどもにすすめたい本2022」の一冊です。

ママに読んでもらいたい本

ホットケーキできあがり!

エリック・カール作 アーサー・ビナード訳 偕成社 2009年

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ある朝、ジャックが「でっかい ホットケーキが たべたいなぁ」と言うと、かあさんは「てつだって くれないと できないわ」と言います。そこで、ジャックは手伝い始めました。最初に畑で小麦を刈り、水車小屋へ運び、竿で叩いてもみ殻を落とし、石のひき臼で粉にしてもらいました。ジャックが「こむぎこ、もってきたよ! ホットケーキを つくろう!」と言うと、かあさんから、「ごくろうさん。でも、たまごが なければ できないわ」と言われます。さて、ジャックは次に何をしたのでしょうか?

詩人のアーサー・ビナードさんのリズミカルな訳と、『はらぺこあおむし』で知られるエリック・カールさんのカラフルなイラストが楽しい食べ物絵本です。

真夜中のちいさなようせい

シン・ソンミ絵と文 清水知佐子訳 ポプラ社 2021年

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男の子が熱を出して寝ていると、そばで看病をしていたママが、居眠りを始めました。すると男の子の枕元に、手のひらに乗せられるぐらいの大きさの、とても小さな少女が数人現れました。小さな声に目を覚ました男の子が顔をあげると、少女たちは「あたしたちは ようせいよ」と言い、ママの代わりに男の子を看病し始めます。妖精たちは、ママのことも知っていると言いますが、どうしてでしょうか。

作者は韓国の絵本作家で、登場人物たちも韓国の伝統的な服を着ています。小さな妖精が現れる不思議な物語が、繊細な美しい絵で描かれています。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

しょうぼうしのくまさん

フィービ・ウォージントンとオリバー・ウィリアムスさく・え こみやゆうやく 福音館書店 2020年

202209book5

あるところに、消防士のくまさんがいました。くまさんはロープとホース、それから赤い消防車を持っています。ある日、くまさんの家の電話がなりました。「うちの ねこの タビサが、にわの きから おりられなくなりました。」消防車で駆けつけたくまさんは、長い梯子を使い、木の上から猫を助け出しました。しばらくすると、また電話がなりました。

「うちのなやが もえています!」。今度は火事です。くまさんは大急ぎで消防車を走らせ、ホースを使い「しゅっしゅっしゅーっ!」と水をかけます。炎は消えるでしょうか?

「せきたんや」「ゆうびんや」「うえきや」「ボートや」「パンや」などいろいろな仕事で活躍するくまさんが登場する「くまさん」シリーズの一冊です。簡潔な絵と易しい文章の組み合わせの絵本なので、3・4歳頃から楽しむことができます。

おじさんのぼうしはどこいった?

ジョアン・L・ノドセットぶん フリッツ・シーベルえ やすだふゆこやく 出版ワークス 2021年

202209book6

ある日、農場に住むおじさんのお気に入りの麦わら帽子が、風に吹かれて飛んで行ってしまいました。納屋や鳥小屋の中まで探しましたがどこにも見当たりません。おじさんは、農場の動物たちに、「わしの むぎわらぼうしを みなかったかね?」と尋ねて回ります。しかし、誰に聞いても、麦わら帽子を見たというものはいません。動物たちは、麦わら帽子ではなく別の物を見かけたと教えてくれました。りすが見たのは丸くて茶色い鳥、ねずみが見たのは丸くて茶色い巣穴、ハエが見たのは丸くて茶色い山でした。おじさんの麦わら帽子はいったいどこへ行ってしまったのでしょう。

麦わら帽子を探すおじさんと動物たちのやり取りの繰り返しが楽しいお話です。最後には、ほっこりと心温まる結末が待っています。