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更新日:2023年2月22日

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2023年3月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

ゆかしたのワニ

ねじめ正一文 コマツシンヤ絵 福音館書店 2022年

20230301

僕の家の床下には、ワニが住んでいます。夜になると、僕は七つ道具が入った袋を携えて、ワニの歯磨きをするために床下へ降ります。ワニは僕をにらみつけますが、歯磨きだと分かると、素直に口を大きく開けます。噛まれたり飲み込まれたりしないように、口をつっかえ棒で固定して、さあ仕事の始まりです。まず、懐中電灯で口の中を照らし、歯と歯の間に挟まっている鶏肉の筋を長い楊枝でつついてかき出して…。

危険な生き物であるワニの歯磨きを、「僕」が手際よく淡々とこなします。口の中に入り込んで歯を磨くため、食べられてしまうかも!?というスリルを楽しむことができる絵本です。4歳頃からの読み聞かせにおすすめです。

くまちゃんがちいさくなっちゃった

トム・エリヤン文 ジェーン・マッセイ絵 なかがわちひろ訳 光村教育図書 2021年

20230302

ある日、お父さんが、僕の背丈よりもずっと大きいくまのぬいぐるみ、くまちゃんをプレゼントしてくれました。重いので動かすのも一苦労ですが、風や雨、吠える犬からも僕を守ってくれる大きなくまちゃんが好きです。ところがある日、僕はくまちゃんが少し小さくなり、僕と同じ大きさになっていることに気が付きました。時が経つにつれ、僕は大きくなりましたが、くまちゃんはどんどん小さくなっていきます。

成長とともに、子どもの目線から見える景色が変わっていく様子を描いた絵本です。山梨県内の司書が選んだ、「こどもにすすめたい本2022」の幼児向けの一冊です。

ママに読んでもらいたい本

あなふさぎのジグモンタ

とみながまい作 たかおゆうこ絵 ひさかたチャイルド 2020年

20230303

ジグモのジグモンタは穴の開いた洋服を直す「あなふさぎや」です。ジグモンタは、直す服の色に合わせて糸を染め、8本の手足を使って穴をきれいに塞ぐこの仕事が好きです。ある日、ハリネズミの姉妹から花嫁のベールの穴塞ぎを依頼されました。ところが、末っ子の花嫁は、姉たちの使い古しのベールを泣いて嫌がり、新品を買うことにします。自分の仕事は役に立たない、と落ち込んだジグモンタが仕事を休み、森を歩いていると…。

巣に穴が開いてしまっても、直しながら繰り返し使うジグモの習性を取り入れたストーリーが、水彩やコラージュを使って色あざやかに描かれています。

ばんそうこうくださいな

矢野アケミ作 WAVE出版 2020年

20230304

うみちゃんは、転んで膝をすりむき、けがをしてしまいました。お母さんに絆創膏を貼ってもらうと、痛みがなくなりました。「ばんそうこうって すごい!」と思ったうみちゃんは、絆創膏を箱ごともらうと、外に出て、絆創膏屋を始めました。「ばんそうこう くださいな」。頭を木にぶつけたかえるや、背中を虫に刺されたりするなど、けがをした動物たちが次々にやってきます。うみちゃんが絆創膏を貼ってあげると、泣いていた動物たちがにっこり笑顔になりました。しかし、へびの長いお腹の傷に絆創膏を貼っていくうちに、箱が空になりました。そこで、うみちゃんは…。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

たからもの

ユリ・シュルヴィッツ作 安藤紀子訳 偕成社 2006年

20230305

毎日の食事にも事欠くほど貧しいアイザックという男が、ある晩、不思議な夢を見ました。正体の分からない声が、「都へ ゆき、宮殿の 橋のしたで、たからものを さがしなさい」と話す夢です。最初は、ただの夢だと気にもとめませんでした。しかし、3回同じ夢を見たため、正夢かと考え、都を目指して旅に出ました。ようやく都につき、宮殿へ向かうと…。

ポーランド出身の絵本作家であるユリ・シュルヴィッツの作品は、『よあけ』など評価の高いものが多く、本書は1980年に国際的にも有名なアメリカの絵本賞、コルデコット賞の銀賞を受賞しています。

つくし

甲斐信枝さく 福音館書店 1997年

20230306

春になると、つくしが地面に顔を出します。つくしは、天ぷらや卵とじ、つくしごはんなどに調理しておいしく食べることのできる春のごちそうです。野原に行って、摘んでみましょう。おや、つくしを引き抜こうとしても、根元でプツンと切れてしまい、抜けません。根はどうなっているのでしょうか。掘ってみると、根はうねうねと長く、他のつくしと地面の下でつながっていました。次に、伸びたつくしを摘み取ると、緑色の粉が散りました。この粉は一体何でしょう。

つくしの生態を写実的な絵とやさしい文章で解説した、4歳から小学生ぐらいのお子さんにおすすめの科学絵本です。絵本を読んだ後、お孫さんと一緒につくしを探してみてはいかがでしょうか。