更新日:2024年11月1日
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読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)
いとうひろし/作 ポプラ社 2001年
ルラルさんは緑一面の芝生の庭が自慢で、毎日手入れし、誰かが入ろうとするとパチンコで追い払います。ところがある朝、ルラルさんの庭に大きな丸太が転がっていました。怒りながら蹴飛ばそうとすると、丸太が大きな口を開けました。ワニです! 大あわてでパチンコを取り出しますが、ワニが怒って咬みつくかもしれない……と、しばらく様子を見ていると、ワニが手招きしました。「なあ、おっちゃん。ここにねそべってみなよ。きもちいいぜ。しばふが おなかを ちくちくするのが たまらないよ」。そこで、ルラルさんはワニの言うとおりにしてみました。 図書館で4、5歳の子どもたちに人気の「ルラルさんのえほん」シリーズ第一弾です。芝生の庭の新しい楽しみ方を見つけたルラルさんをユーモラスに描きます。 |
彦坂有紀/さく もりといずみ/さく 福音館書店 2024年
「ロールパンで なに つくろう」。ロールパンに切り込みを入れて、黄緑色のレタスや細長いウィンナーを挟んだら、ホットドッグのできあがり! 今度は、黄色のコーンや緑色のグリンピースの入ったチキンライスをふかふかの黄色い卵でくるんで赤いケチャップをかけたら、オムライスのできあがり。 料理が出来上がるまでを、シンプルなイラストで紹介した絵本です。登場する食べものはどれも本物のようにおいしそうな木版画で描かれていて、表紙いっぱいに描かれたオムライスの絵が目を引きます。本を読んだ後、紹介されている料理をお子さんと一緒に作ってみてはいかがでしょうか。2歳から4歳におすすめの1冊です。 |
まきあつこ/文 降矢なな/絵 BL出版 2021年
昔、川沿いの町にとても貧しい家がありました。子どもがたくさんいて、お母さんのわずかな稼ぎでは満足に食べられません。ある晩、一番上の娘はあまりにもお腹が空いて惨めになり、家を飛び出しました。泣きながら歩き、川に身を投げようとすると、泣き声を聞いた水辺の主ヴォドニークが現れました。ヴォドニークは娘を捕まえ水の中の館に連れ帰り、面倒をみる代わりに、掃除と、たくさんの壺を載せた大きなストーブの火を絶やさず燃やし続ける仕事を言いつけました。禁止されたことは、一つだけです。「つぼの中はのぞくな」。ところがある日、壺の一つから川で溺れ死んだ弟の声が聞こえ、娘は思わず壺の蓋を開けてしまいました。 チェコの伝説の魔物ヴォドニークが登場する昔話絵本です。小学校3・4年生向けです。 |
かさいまり/文 北村裕花/絵 絵本塾出版 2016年
ある日、けんは隣に住むまこちゃんが毎日寝るときに母親から絵本を読んでもらっていると聞き、うらやましくなりました。けんのかあちゃんは美容師で、店でお客さんの髪を切ったり、パーマをかけたりと、亡くなったとうちゃんの分まで忙しい毎日です。けんは自分も寝るときに絵本を読んでもらおうと思い、パジャマに着替えてから、「かあちゃん、いま いそがしいか?」と聞いたり、「かあちゃん あのな…」と言いかけたりしますが、読んでほしいとは言い出せませんでした……。 大好きなかあちゃんに絵本を読んでほしいと願う子どもを描きます。県内の図書館員が選ぶ「こどもにすすめたい本2017」に選ばれた4歳から5歳におすすめの絵本です。 |
松谷みよ子/文 遠藤てるよ/絵 偕成社 1979年
「おおさむ こさむ やまから こうさぎ とんできた」。冷たい北風がビュンビュン吹く中、山から子うさぎがやってきて、「おみみが いたい」と泣いています。子ぎつねや子だぬきも鼻が冷たい、お腹が寒いと泣きながらやってきました。すると子どもたちが寒さを吹き飛ばそうと、一緒に遊び始めました。背中合わせで円になり、「おしくらまんじゅう おされて なくな」と歌いながら、背中やお尻を押し合います。 秋から冬にかけての読み聞かせにぴったりの絵本です。「おおさむこさむ」、「おしくらまんじゅう」、という二つのわらべ歌が登場します。メロディを知っている方は歌いながら、知らない方は歌詞をリズミカルに読んでみましょう。 |
ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社 2011年
ケイティとおばあちゃんは美術館に行きました。おばあちゃんがひと休みする間、ケイティは1人で絵を見て回ります。ケイティはゴッホの『ひまわり』という絵が気に入りました。こぼれ落ちそうなひまわりの種を見て「このたね、おうちでまいてみたいなぁ」と手を伸ばした途端、絵の中から花瓶が転がり落ち、花や種も床に散らばってしまいました。すると、『踊るブルターニュの少女たち』という絵の中から笑い声が聞こえてきました。「なにがおかしいの?」と女の子たちに声をかけると、ケイティはいつのまにか絵の中に入ってしまい……。 名画の中に飛び込んでしまったケイティが、絵の中の世界で冒険する「ケイティのふしぎ美術館」シリーズの第1作です。芸術の秋、この本を読んでお孫さんと一緒に美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。 |
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