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更新日:2024年8月21日

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2024年9月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

さかなくん

しおたにまみこ/著 偕成社 2022年

2024年9月絵本1

小学生のさかなくんは、毎朝学校に行く前には、水の外に出るための準備が必要です。まずゴムのズボンをはき、水が入った重たいガラスのヘルメットを被り、ゴムの靴を履いてからやっと登校できます。さかなくんは、学校の授業もみんなで食べるお昼ご飯も好きですが、体育だけは大嫌いです。ある日さかなくんは、体育のリレーのとき、あしびれがぐにゅっとなって、転んでけがをしました。家に帰ったさかなくんが、「きっと みんな、ぼくのこと かっこわるいって おもっている」と落ち込んでいると、同じクラスの友達が訪ねてきて、さかなくんにあるものをプレゼントしてくれました。

さかなくんが友達の励ましによって苦手な体育の授業での失敗を乗り越えるまでを、繊細なタッチで描いた心温まる絵本です。4・5歳から小学校低学年におすすめの一冊です。

こしたんたん

りとう ようい/作 絵本館 2023年

2024年9月絵本2

林の中の水たまりにうさぎが水を飲みにきました。そこへやってきたのは大きなトラ。草むらからうさぎを狙います。「いきを ひそめて こしたんたん」。すると、水たまりに鹿もやってきました。獲物が増えたので、トラは喜びを隠せません。「こころ ウキウキ こしたんたん」。さらに、いのししと牛まで水を飲みにやってくると、トラはよだれをたらし、我慢ができず……。

図書館で読み聞かせをしたところ、子どもたちは、最初は「虎視眈々(こしたんたん)」の意味が分からず不思議そうにしていましたが、絵を見ながら繰り返される言葉を聞き、トラが獲物を狙っている様子だと理解できると、喜怒哀楽が豊かなトラの表情を笑いながら楽しむようになりました。

ママに読んでもらいたい本

どすこいみいちゃんパンやさん

町田尚子/作 ほるぷ出版 2023年

2024年9月絵本3

猫のみいちゃんは朝早く起きると、まず眠気覚ましに「どすこい どすこい」と四股を踏みます。次はパン生地作り。両方の前足で、「グーパーグーパー」と生地を押してこねます。「どすこい どすこい ふわふわになあれ」。

猫のパンやさんのみいちゃんが、紅白の縞模様のエプロンを化粧まわしのように腰に締め、四股を踏んだり、すり足で天板を運んだり、お相撲さんそっくりの動きをしながら、一生懸命、丁寧にパンを作る様子を描いた絵本です。県内の図書館員が2023年に出版された本の中からおすすめの本を選んだ「こどもにすすめたい本2024」の一冊です。

おやすみなさいおつきさま

マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく クレメント・ハード/え せた ていじ/やく 評論社 1979年

2024年9月絵本4

大きな緑の部屋の中で、子うさぎがベッドに入って眠りにつこうとしています。大きな窓から月が昇ってくるのが見え、だんろの火が赤々と燃え、人形の家や赤い風船があります。椅子に座って見守っているうさぎのおばあさんのそばで、子猫が2ひき遊んでいます。「おやすみ おへや」「おやすみ おつきさま」「おやすみ あかいふうせん」……。子うさぎは、1つずつ周りのものに声をかけていきます。部屋はだんだん暗くなり、子うさぎは眠りについていきます。

緑の部屋の不思議な雰囲気と、繰り返される「おやすみ」の言葉が夢の世界に誘ってくれる、就寝前にぴったりの絵本です。0歳~2歳向けです。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

ちいさなふたりのいえさがし

たかおゆうこ/さく 福音館書店 2023年

2024年9月絵本5

あるところに大きなクルミの木がありました。木の下には、クルミの実で作った小さな家があり、小さな小さなおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある春の日、二人が川の水くみから帰ってくると、大きなひょうが降って、家が粉々に壊れていました。代わりの家を作ろうにも、秋にならないとクルミが実りません。そこで二人は新しい家を探しに出かけました。タンポポの綿毛の乗ってイチゴ畑に着いた二人は、甘い良い香りのするイチゴの実を家にしようと決めました。さて、どんな家ができるのでしょうか?

家を失ったおじいさんとおばあさんが、住み心地のよい家を探して、さまざまな果物で家を作る様子を描く物語絵本です。4・5歳からおすすめです。

まどのむこうのくだものなあに

荒井 真紀/さく 福音館書店 2020年

2024年9月絵本6

真っ黒に塗られたページの真ん中に小さな四角の窓があります。窓の向こうには、赤い色が見え、ごまのような形のつぶつぶがあります。「まどの むこうの くだもの なあに?」。ページをめくると、リアルに描かれたおいしそうなイチゴ。次のページにはイチゴの断面図が大きく描かれ、思わず食べたくなります。一部分、全体、断面といろいろな角度から見る果物の世界を楽しみませんか。何の果物かあてっこしたり、「おいしそうなイチゴだね」など、いろいろな語り掛けをして楽しむことができそうです。3歳から小学校低学年向けです。