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更新日:2023年12月20日

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2024年1月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

ディック・ウイッティントンとねこ

マーシャ・ブラウンさいわ・え まつおかきょうこやく アリス館 2007年 品切れ(県内28館所蔵)

2024年1月絵本1

イギリスのある村で、早くに両親を亡くし、貧しい生活をしていた少年ディック。荷馬車についていき、ロンドンに着きますが、とうとう空腹のあまり金持ち商人の屋敷の前で倒れてしまいます。この家の主人に助けられ、屋敷の料理人の下働きになったものの、「料理女」には意地悪をされ、自分の寝ている屋根裏には多くのネズミが出て、眠れない日々を過ごしていました。そこで、靴磨きをして得たお金で猫を手に入れ、飼い始めると、たちまちネズミを追い払ってくれたのです。それから間もなく、主人の出す貿易船に、召使い全員が商いの品を出すことになりました。何も持たないディックは、涙ながらに大事な猫を差し出すしかありませんでした。

イギリスで有名な昔話で、2色で刷られた絵が特徴的な絵本です。小学校低学年頃から楽しむことができます。

ねえどっちがすき?

安江リエぶん 降矢奈々え 福音館書店 2003年

2024年1月絵本2

黄身がつやつや輝く「ぴっかり めだまやき」と、黄色くてふんわり膨らんだ「ほっこり たまごやき」。「ねえ どっちが すき?」。

2つの選択肢から、どちらかを選んで遊ぶ絵本です。卵料理の他に果物や公園の遊具など子どもたちの身近にあるものが登場します。どちらにしようか迷ったら、まず、絵を見てみましょう。「ずんたった ずんたった おどる」場面は、仮装して楽しそうに踊る男の子や動物たちが描かれ、もう一つの選択肢「らーららぁー ららららぁー うたう」場面は、広い野原で大きく口を開け気持ちよさそうに歌う狐の子が描かれています。選択肢を修飾する言葉にも注目です。「ふかふか パンツ」と「ぶかぶか セーター」のように、音のリズムを楽しみながらクスッと笑えます。親子一緒に読むと楽しい、3、4歳頃からおすすめの絵本です。

ママに読んでもらいたい本

おかあさんがおかあさんになった日

長野ヒデ子さく 童心社 1993年

2024年1月絵本3

「あかちゃん こんにちは、おかあさんよ」。初めてお母さんになった女性が、子どもに向かって「あなたの うまれた日」のことを、語りかけます。予定日を過ぎてもなかなか産まれず、心配したことや、病院内を大きなお腹でトコトコと歩き、散歩したこと。お腹の中で赤ちゃんがピクピク動いたときは、こう話しかけました。「はやく でてらっしゃい、あかちゃん」。陣痛が始まったときには、「おかあさんは、ドキドキしたわ」。そして、「いよいよ、あかちゃんを うむための おへやに はいったのよ」。

赤ちゃんが誕生するまでの一日と、母親になった喜びを描いた絵本です。絵本を読み終わったら、お子さんが生まれた日のことを、伝えてみてはいかがでしょうか。

もりのおふろ

西村敏雄さく 福音館書店 2008年

2024年1月絵本4

森の奥に大きなお風呂がありました。ライオンがやってきて体を洗います。「ごしごし しゅっしゅ」。そこへゾウがやってきました。ライオンがゾウに、「わたしの せなかを あらってもらえませんか」と頼むと、「はい、いいですよ」。「ごしごし しゅっしゅ」。次から次へと動物たちがやってきて、輪になって「ごしごし しゅっしゅ」と背中を洗い、お湯を「ざぶーん」と掛け泡を流します。最後は皆でお風呂に「どぼーん」。「あー ごくらく ごくらく いいきもち!」。

寒い季節にぴったりのお風呂が楽しくなる絵本です。おはなし会での読み聞かせにも向いています。2歳から4歳ぐらいのお子さんにおすすめです。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

おおゆき

最上一平作 加藤休ミ絵 鈴木出版 2019年

2024年1月絵本5

明日は大みそかという日、朝からずっと「さいや さいや」とお神輿のリズムで雪が降り積もるので、ゆうきはお兄ちゃんと屋根の雪おろしの手伝いをしました。次の日の朝、まだ暗いうちに、ゆうきの家に一人の女性が訪ねてきました。「くるまが まったく うごかなくなった」と話を聞き、おじいさんが外に出てみると、雪が1メートルも積もり、家の前の国道は大渋滞です。驚いたおじいさんは「こりゃあ、なんぎしているべえ」と家族を起こし、トイレの案内板を作りました。明るくなり、渋滞に気付いた町の人々も、おにぎりや芋煮汁を作り始めました。

大雪の大渋滞で困っていた人を、沿道の人々が助ける様子を描いた心温まる絵本です。県内の図書館職員が選定した「こどもにすすめたい本2020」で紹介された一冊です。4、5歳から小学校低学年向けです。

ゆきのひのゆうびんやさん

こいでたんぶん こいでやすこえ 福音館書店 1992年

2024年1月絵本6

外は雪。三匹のねずみが暖かい部屋で遊んでいると、郵便屋のうさぎが「はっくしょん!」とくしゃみをしながら小包みを届けてくれました。小包みはおばあちゃんからで、三枚の暖かそうな襟巻き(マフラー)が入っていました。三匹は、風邪を引いてふらつくうさぎを暖炉の側で休ませ、もらった襟巻きを巻くと、うさぎの代わりに配達に出かけました。「つめたいかぜも、おばあちゃんの えりまきがあれば、なんのその!」雪が降る中、りすの家、たぬきの家、あなぐま屋敷へと順番に荷物を届けていきます。いよいよ最後の一軒というとき、雪と風がますます強くなりました。三匹のねずみは、無事に荷物を届けることができるのでしょうか。

暖かみのある絵で描かれた人気シリーズの一冊です。3、4歳頃からおすすめです。