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更新日:2022年11月29日

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2022年11月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

ふみきりくん

えのもとえつこ文 鎌田歩絵 福音館書店 2019年

202211book1

働き者のふみきりくんの仕事は、電車が通るたびにかんかんと音を鳴らしながら長い遮断機を下ろし、人や車を止めることです。ふみきりくんが遮断機を下ろすと、「ガタ、ゴト、ガタ、ゴト」と電車が通ります。ふみきりくんは、電車が駅に到着したのを確認して、遮断機を上げます。「いそげ、いそげ!」と大急ぎで走ってきたトラックも、ふみきりくんがしっかりと遮断機を下ろしたので、安全に渡ることが出来ました。ふみきりくんはこうして一日に何度も遮断機を上げ下げしています。みんなの安全のために働いているふみきりくんのお話です。

2歳から4歳頃まで楽しめます。電車や鉄道が好きな子どもたちにおすすめです。

ラマダンのお月さま

ナイマ・B・ロバート文 シーリーン・アドル絵 前田君江訳 解放出版社 2016年

202211book2

イスラーム教徒の女の子が「まだかな まだかな」と、1年に1度のラマダン月を心待ちにしています。空に銀色の光を放つ三日月が見え、1か月間のラマダン月が始まりました。ラマダン月には、大人も子どももモスクに集まって、天から伝えられた大切な本の言葉を聞きながらお祈りをします。日中に飲食をすることができないため、太陽が沈んでから家族でおいしい料理を楽しみます。また、誰かにあげるためにまだ使えるものを集めたり、困っている人のためにお金を集めたりしながら、人に優しくできているかを思い返す期間でもあります。

ラマダン月や断食後のイードのお祭りの様子がわかります。リズムのある明るい文章から、ラマダン月を特別に思うイスラーム教徒の気持ちが伝わります。風景や衣装、断食後に囲む食事などがとてもカラフルに描かれています。

ママに読んでもらいたい本

わたしのそばできいていて

リサ・パップ作 菊田まりこ訳 WAVE出版 2016年

202211book3

マディは、字を読むのが大嫌いです。国語の授業では、みんなの前で声に出して本を読もうとしてもうまく読めず、いつも笑われてしまいます。ある土曜日、マディは図書館で、ボニーという大きな白い犬に出会いました。図書館のテンプルさんは、「この子に 本を よんであげてほしいの」といいます。そこで、マディはボニーに本を読み始めました。ボニーはマディがつかえても、間違えても、笑ったりしません。毎週土曜日、図書館でボニーに本を読んでいるうちに、マディは本を読むことが楽しくなってきました。そして、また国語の授業で本を読む順番が近づいてきて…。マディを見守るボニーの優しい表情が印象的な心温まる絵本です。小学校低学年向けの一冊です。

アルバ うつくしいうみをまもった100さいのさかな

ララ・ホーソーン作・絵 新沢としひこ訳 教育画劇 2021年

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オレンジ色の魚アルバは、美しいサンゴ礁の海に住んでいました。サンゴ礁にはカラフルな魚たちがいきいきと泳ぎ、海底には様々な色や形の貝殻があります。アルバは、海底にある美しいものを集めることが大好きでした。ところがある日、異変に気付きました。貝殻が少しずつ減り、魚が姿を消し、空き缶やストローなど、見たこともないものが流れてくるようになったのです。サンゴ礁の鮮やかな色は失われてしまいました。仲間たちがいなくなってしまい、悲しい気持ちで泳いでいたアルバは、透明なペットボトルに入った一粒のきれいな真珠を見つけます。真珠を取ろうと中に入ると、外へ出られなくなりそのまま流されてしまい…。

アルバが大好きだった美しいサンゴ礁を取り戻すには、どうすればいいのでしょうか。環境について考えるきっかけになる絵本です。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

さわさわもみじ

ひがしなおこさく きうちたつろうえ くもん出版 2013年

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「さわん さわん」と風が吹いて、男の子の髪を揺らします。赤や黄色に色づいたもみじの葉が「さわさわさわさわさわ」と飛んで、「ふんわり」と地面に落ちました。「ぽとん ことん」と落ちてきたのはどんぐりです。「ひゅるるるるるる」と冷たい風が吹くと、またもみじの葉が飛ばされていきます。男の子は、車のタイヤの隙間にかくれんぼしているもみじの葉を見つけました。

様々な擬音語を使いながら、秋の情景を描いています。色合いも鮮やかで、秋をたっぷりと感じられます。絵本を読んだ後は、散歩に出かけて、風に吹かれるもみじに注目してみましょう。紅葉がきれいな季節に読んでほしい一冊です。

詩ってなあに?

ミーシャ・アーチャー作 石津ちひろ訳 BL出版 2017年

202211book6

主人公のダニエルはある日、公園に1枚のポスターが貼ってあるのを見つけます。それは、詩の発表会の開催を知らせるポスターでした。「詩って なんだろう?」と思ったダニエルは、仲良しの生き物たちに、詩とは何かを聞いて回ります。すると、いろいろな答えが返ってきました。ハイイロリスにとっての詩は「おちばの かさこそと なる おと」、カエルにとっては「ぴょんっと とびこみたくなる ひんやりとした みず」、カメにとっては「おひさまで あたためられた すな」です。発表会に参加するダニエルも、動物たちのように自分の詩が見つけられるでしょうか。

落ち葉や池、夕焼けなどが、とてもきれいな色遣いのコラージュで描かれています。お孫さんと一緒に、自分にとっての詩を探してみてはいかがですか。5歳~小学校中学年向きです。