更新日:2024年2月20日
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読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)
ジビュレ・フォン・オルファース作 秦理絵子訳 平凡社 2005年
「さあ おきなさい こどもたち もうすぐ 春が やってくる」。葉を落とした木の根の下、大地の母さんの呼びかけで、ねっこぼっこたちは目を覚ましました。すぐにしたくを整えて、地中でせっせと色とりどりの服を縫い、虫たちのかぶとに色を塗り、ブラシでといて手入れをします。待ちに待った春がやってくると、ねっこぼっこたちは、それぞれの花に合わせた色の装いで花の子になり、虫たちと地上に飛び出していきました。ひょうきんなスズランの花の子はかたつむりとにらめっこをし、ワスレナグサの花の子は小川で遊び、外の世界を楽しみます。 春の訪れを喜ぶねっこぼっこたちが、細かく書き込まれた絵とリズミカルな翻訳で、いきいきと描かれた絵本です。 |
ルドウィッヒ・ベーメルマンス作・画 瀬田貞二訳 福音館書店 1973年
12人の女の子が暮らしているパリの古い屋敷で、一番の「おちびさん」が、マドレーヌです。ある日、隣の家にスペイン大使が引っ越してきました。息子のペピートはいたずらっこで、マドレーヌたちをお化けの格好で驚かしたり、屋根の上でたこを揚げたり、橋の欄干を自転車で走ったりします。マドレーヌたちは、ある日の散歩の途中、大きな袋を背負ったペピートの後ろを、たくさんの犬がついていくのを見かけました。ペピートは何をするつもりなのでしょう。 マドレーヌはどんなふうにペピートのいたずら好きを直すのでしょうか。パリの名所や風物などと一緒にお楽しみいただけます。 |
浜田桂子さく 福音館書店 2008年
毎日、私たちは手を使っていろいろなことをします。顔を洗ったり、ボタンをはめたり、絵を描いたり……。両手をぴったり合わせて水をすくえばコップになり、まぶしい時は目の上にかざして日よけにすることもでき、口元に添えてメガホンのようにも使えます。ジェスチャーや手話、点字では、手を使って話したり読んだりすることもできます。便利な道具として使えるだけではありません。拍手で「おめでとう」「ありがとう」の気持ちを伝えることや、試合の前に手をつなぎ、お互いを励まし合うこともできます。手には、気持ちを伝える不思議な力があるのです。 子どもたちが手を使う様々なシーンを描き、体の一部である「手」を使ってできるたくさんのことに気付かせてくれる絵本です。4歳以上のお子さんにおすすめです。 |
デボラ・マルセロ作 なかがわちひろ訳 光村教育図書 2022年
うさぎのルウェリンは、素敵なものを瓶に入れて集めることが大好きです。瓶の中のキンポウゲの花や鳥の羽根、ハートの形の小石などを見ると、きれいな景色や楽しかったことを思い出せるからです。ある日の夕方、ルウェリンは、夕焼けでさくらんぼシロップ色に染まった海の水を集めようとした時、エブリンに出会いました。エブリンに瓶を一つ分けてあげると、その瓶は、一晩中さくらんぼシロップ色に輝いていました。それから二人は一緒に、虹や波の音を瓶に集めて過ごしました。ところが、エブリンが遠い街へ引っ越すことになり……。 友だちとの別れと友情をテーマにした、卒園や引っ越しなどの季節におすすめの絵本です。虹や花畑、流れ星などルウェリンが集めた素敵なものや、美しい色合いの絵にも注目してほしい一冊です。 |
矢間芳子さく 森田竜義監修 福音館書店 2002年
春、道端のあちこちで、スミレが紫色の花を咲かせます。少し歩くと、コンクリートの割れ目や石垣の隙間など、思いがけない場所に咲いているスミレを見つけました。どうしてこんな場所に咲くのか、観察してみましょう。スミレの花がたくさん咲くと、蜂がやってきて、花の奥に長い口を伸ばして蜜を吸いました。その後、スミレは花の時期を終え、実をつけます。うつむくように曲がっていた茎がだんだんと真っすぐに伸び、先端の実が明るい方を向いて、3つに裂けて開きました。裂けた実の中から、種が「ピチッ ピチッ ピチッ」と音を立てて地面に飛び散ると、そこにありがやってきて種を運び始めました。 スミレの咲く場所の不思議を解き明かしながら、スミレの生態、蜂やありとの共生関係を、写実的な絵とともに伝える科学絵本です。 |
張輝誠文 許匡匡絵 一青妙訳 光村教育図書 2022年
小学生のぼくは、朝起きてから夜眠るまで、両親に「はやく はやく」とせかされています。学校が休みになり、ぼく一人で祖父母の家に行くと、今度は「ゆっくり ゆっくり」と食べ物の味や自然や季節を感じてほしいと言われます。両親は、はやくしないと「たくさんのものを なくしてしまうよ」と言い、祖父母はゆっくりしないと「たくさんのものを なくしてしまうよ」と言います。みんなはぼくのために言ってくれるのですが、ぼくはどうしたらよいのかわからなくなります。 台湾出身の作家と絵本画家が作った絵本です。温かみのある色彩で、主人公や家族、街、田舎の様子が描かれています。「こどもにすすめたい本2023」に選ばれた小学校低学年向けの絵本です。 |
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