更新日:2023年10月20日
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読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)
いわやけいすけぶん みねおみつえ 福音館書店 2018年
私たちが地面でぴょんとジャンプすれば、少しだけ空に近付きます。空の上にある宇宙は、「どのくらい とおい ばしょ なのでしょうか?」。 地上で、男の子が持っていた風船が、手から離れてしまいました。この風船と一緒に空へ昇ってみましょう。マンションの部屋くらいの高さまで昇ると、地面が少し遠く、人が小さく見えます。風船はさらに、ビルの最上階の高さに昇ります。東京スカイツリーの展望台の高さまで昇ると、視点もずいぶん高くなってきました。さらに上には、どのような世界が広がっているのでしょうか。 作者の岩谷圭介さんは、風船を飛ばして宇宙や地球を撮影しています。その景色を見て、宇宙はすぐ近くにあるのだと気付き、それを伝えようと作られた科学絵本です。5歳頃から小学校低学年向けです。 |
矢川澄子再話 赤羽末吉画 福音館書店 1979年
ある冬の日、よ平は翼に矢を受け苦しんでいた一羽の鶴を助けました。するとその夜、一人の美しい娘がよ平の家を訪ね、「女房にしてくださいまし」と申し出て、一緒に暮らし始めました。しばらくして、貧しいよ平の家の貯えが底をつきそうになると娘は、機を織らせてほしいと言いました。機の準備ができると娘は「わたしの織っているうちは、けしてのぞき見なさいませんように」とよ平に頼み、奥の部屋でとんからとんから、と機を織り始めました。娘は三日三晩飲まず食わずで織り続け……。 「鶴の恩返し」という名でも知られる有名な日本の昔話の絵本です。「けしてのぞき見なさいませんように」と言われたよ平は我慢することができたか、など、親子一緒に物語の展開がどうなるか想像しながら読んでみてはいかがでしょうか。 |
くすのきしげのりさく 北村裕花え 東洋館出版社 2018年
学校で、ともくんは隣の席に座っているなっちゃんから、「ともくんは、いいなぁ。なんでも あたらしいものばかりで」と言われます。なっちゃんは、お姉ちゃんのおさがりの物差しを使うのが嫌なのです。なっちゃんがため息をついたとき、先生がやってきました。先生の物差しも、お姉ちゃんのおさがりです。先生は「なんだか おねえちゃんが いっしょに いてくれるみたいで うれしいわ」と言います。「『おさがり』って、いいなあ」と羨ましく思ったともくんは、家に帰ってお母さんに、お兄ちゃんがいたらおさがりがもらえたのに、と話しました。するとお母さんが、お腹の中に赤ちゃんがいると教えてくれました。ともくんは、赤ちゃんにおさがりをあげられるよう、物を大切に使おうと決めます。 身の回りのおさがりを見つけるのが楽しくなる絵本です。 |
角野栄子文 荒井良二絵 あかね書房 1996年
コウくんは物置で古い腕時計を見つけ、ネジを巻くと「コッチリ ポッチリ」とゆっくり動き始めました。一緒にコウくんの胸も鳴り出します。次の日、腕時計が「チキチキチキチキ」と速いスピードで動き出しました。すると不思議なことに、コウくんの胸も時計のスピードに合わせて鳴り出します。「たいへんだ!チキチキチキチキ、いそいで いそいで、がっこうに いかなくっちゃ」。コウくんは慌てて学校へ行く準備を始めました。 腕時計がチキチキチキチキと鳴る音に合わせて、人々が「いそいで いそいで」と慌てふためいて行動する不思議な世界を描いた絵本です。文章は『魔女の宅急便』で知られる角野栄子さん、ユーモラスなイラストは、日本人で初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した荒井良二さんが担当しています。 |
ペク・ヒナ絵 パク・ユンギュ文 かみやにじ訳 偕成社 2022年
むかしむかし、山の中に一人のばあさんが暮らしていました。ばあさんがぐつぐつ煮る小豆粥はとてもおいしいため、「あずきがゆばあさん」と呼ばれていました。ある春の日、ばあさんが畑で草を取っていると、大きな虎が現れ「うおー、ばあさんを がぶっと くってやろう」と言いました。ばあさんは急いで「ゆきの ふる ふゆ、おまえも たべるものが ないとき、おいしい あずきがゆを たらふく たべてから わたしを がぶっと くったらいい」と提案します。すると虎は、「そりゃあ いいかんがえだ。」と言い、山に消えました。やがて冬になり、小豆粥を食べる冬至の日を迎えました。ばあさんは虎に食べられてしまうのでしょうか? 韓国の小学校2年生の教科書に掲載されている昔話です。 |
さとうわきこ作 福音館書店 2000年
秋が深まり、風に吹かれて落ち葉がたくさん落ちてきます。ばばばあちゃんと子どもたちは、暖をとろうと、落ち葉を集めて焚き火を始めました。ばばばあちゃんは「たきびの もうひとつの おたのしみをしようじゃないか。」と言うと、アルミホイルと濡れた新聞紙で、サツマイモを包みました。焼き芋の支度です。包んだら、焚き火の中に入れます。すると、子どもたちが「このじゃがいももいれるの?」「みかんなんかどうかな」などと言い、「やいてみたら どうなるかの だいじっけん」が始まりました。 子どもたちが自由な発想で焼き芋大会を楽しむ様子を描いた科学絵本です。ばばばあちゃんの様々な知恵にも注目の一冊です。 |
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