更新日:2023年8月22日
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読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)
安房直子作 南塚直子絵 小峰書店 2021年
裏通りに「かさのしゅうぜん」という看板のある小さな傘屋がありました。若くて腕のいい傘屋は、長雨の後に山ほど傘を直し、いつもよりたくさん稼ぎました。そこで翌日、長い間欲しかったものを買いに出かけると、雨の中、傘もささずに立っている、水色の服を着た小さな女の子に会いました。女の子が傘を持っていないと言うので、傘屋は新しい傘を作ってあげることにし、傘の生地を選ぶために一緒にデパートに行きました。女の子が選んだのは、海の色にも雨上がりの空にも似た青い生地でした。傘屋が夜遅くまで念入りに傘を作って女の子にプレゼントしたその日から、傘屋に不思議なことが起こるようになります。 銅版画で描かれた、カラフルでやさしい色合いの絵本です。5歳から小学校低学年向けです。 |
高崎卓馬作 黒井健絵 講談社 2021年
「みんなのこころに うかんだことを かいてみましょう」。小学校の教室で、子どもたちが絵を描いていると、先生が一人の男の子の絵を見てびっくりしました。男の子は、画用紙を真っ黒に塗りつぶしていたのです。先生は困った顔をして「ちゃんとした えを かきなさい」と声をかけます。それでも男の子は、学校が終わっても、家に帰っても、一日中何枚も真っ黒に塗り続けていました。周りの大人や友だちが心配しても、男の子は手を止めません。「まっくろけ まっくろくろけ。」「まっくろくろくろ まっくろけ。」黒く塗った紙はどんどん増えて……。 男の子は、なぜ黒く塗っているのでしょう。大量の黒い紙が最後にどうなるか、お子さんと一緒に想像しながら読んでみてはいかがですか。小学校低学年向けです。 |
エリック・バトゥー絵 モニカ・バイツェ文 那須田淳訳 講談社 2000年
アフリカの草原に、ベノという名のピンク色の子ゾウがいました。ベノはいつも明るくて、元気で、みんなの人気者です。ベノの一番の親友は、体に赤い水玉模様のあるゾウ、フレディでした。ふたりはいつも、一緒に遊んだり探検に出かけたりしていました。ところがある日、フレディが家族とともに別の草原に行くことになりました。フレディがいなくなると、あれほど元気だったベノは落ち込んで、めそめそしてばかりです。他の子ゾウと遊んでもちっとも楽しくありません。そこで、ベノは物知りのフクロウ、ホレイカのところへ相談に行ってみることにしました。するとホレイカは、今できる3つのことをベノに教えてくれます。ベノは、再び元気を取り戻せるのでしょうか。 |
村中李衣文 石川えりこ絵 あすなろ書房 2022年
「きのうの雨で、おっきくなったかな。」私が畑にスイカを見に行くと、カラスがスイカをつついていました。私が「こらぁ!」と言うと、カラスは飛び立ちました。追いかけようとすると、履いていた長靴が脱げて、足の裏に畑の土が「ぐにゃり」、スイカの葉っぱの産毛が「ちくちく」、道路のアスファルトでは、「いたた」。場所によって、はだしの足の裏に様々な感触があります。カラスを追って公園まで来ると、「ここは、セミの大宇宙」。地面にある穴ぼこに足の親指が「ぽくっ」と入りました。セミの幼虫が出た後の穴がたくさんあったのです。 主人公の女の子がはだしで歩き回り、足の裏の感触から体全体で自然を感じ、様々なことに気づく絵本です。県内の図書館員が選定した「こどもにすすめたい本2023」(小学校中学年向け)で紹介された絵本です。 |
イフェオマ・オニェフル作・写真 さくまゆみこ訳 偕成社 2000年(品切れ、県内20館所蔵)
アフリカのナイジェリアに住む男の子エメカは、隣村に住む大好きなおばあちゃんのところへ遊びに行きながら、「おばあちゃんに なにか おみやげを もっていって あげたいな」と思いました。市場に行ってみると、ビーズの首飾り、ヒョウタンで作った楽器、大きな水がめなど、いろいろな物があります。どれもおばあちゃんに喜んでもらえそうで、エメカは悩みます。 エメカが出会った人や見つけた物を、「くびかざりが むっつ」「水がめが やっつ」というように、1から10までの数に合わせて紹介します。ナイジェリアの家庭で使われている様々な道具や衣装、友達や家族も登場し、数を学びながら異なる文化を知ることができる写真絵本です。 |
高橋祐次作 講談社 2022年
砂場をさわってみると、「ふかふか」した砂もあれば、「さらさら」した砂、「じゃりじゃり」する砂もあります。人差し指を砂の中に「ずぼっ」と入れ、「じじじ」「じー」っと横に動かすと、砂の上に線ができます。線を描きながら、砂場に転がるシャベルや石、ミミズや穴、水で濡れている場所や、砂山を上手によけて、どんどん線を伸ばすと……。 細かい砂粒のじゃりじゃりとした感触が伝わってきて、お孫さんと一緒に砂遊びを疑似体験できる絵本です。3歳から楽しむことができます。 |
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