更新日:2024年7月24日
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読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。
(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)
広野多珂子作 廣野研一絵 福音館書店 2016年
雑木林の切り株の上で、虫たちの相撲大会が始まります。一番初めは、カナブンとタマムシの勝負です。「みあって みあって」「のこった のこった」。カナブンがタマムシを押し出して、カナブンの勝ち。次はダンゴムシとカマキリが勝負します。小さなダンゴムシは大きなカマキリの前足にいきなりしがみつきます。カマキリはしりもちをついてしまい、ダンゴムシの勝ち。一番の見どころは、終盤で繰り広げられるクワガタとカブトムシの対決です。大きなアゴを持ったクワガタと、大きな角を持ったカブトムシ……。さて、どちらが勝つのでしょうか? 見開きいっぱいに描かれる、切り株の土俵の上で相撲を取る虫たちの様子は迫力満点です。子どもたちに人気のカブトムシやクワガタなどが登場する、夏におすすめの一冊です。2歳から楽しむことができます。 |
いわむらかずおさく 童心社 2002年
10ぴきのねずみの兄弟が、父母、祖父母と暮らしています。合わせて14ひきの大家族です。暑い夏の日、お昼ご飯を食べ終わると、10ぴきの兄弟たちはとんぼ池へ遊びに行きました。ニイニイゼミの鳴き声を聞きながら歩いていくと、小川の音が聞こえてきました。丸木橋を渡り、さらに進むと、ようやくとんぼ池に到着です。キイトトンボにギンヤンマ、シオカラトンボなど、たくさんのトンボがいます。「みず ゆらゆら、くさ ゆらゆら、とんぼ ゆらゆら」。10ぴきの兄弟たちが手作りのボートで遊んでいると、水面から出た草の先にノシメトンボがとまっていました。 池で遊ぶねずみの兄弟たちの楽しい一日が、水辺の生き物、植物、揺れる水面とともに、色鮮やかに生き生きと描かれています。人気の「14ひきのシリーズ」の一冊で、暑い夏にぴったりの絵本です。 |
ひろかわさえこ著 ハッピーオウル社 2016年
こぶたのぶうちゃんはお母さんとお風呂屋さんにやって来ました。洋服を脱ぐとき、お母さんから「はーい、ぶうちゃん、おてて あげて」と言われましたが、「ぼく、じぶんで できるもん!」と、一人でシャツもパンツも脱ぎました。体を洗うときにも、「ぼく、じぶんで あらう!」と言います。お母さんから背中が洗えていないとか、頭が泡だらけで目に入ると言われても、「わかってるもん」と答えます。「ひとりで おふろに はいっちゃだめよ」というお母さんの忠告をうるさく感じたぶうちゃんは、「ぼく、あかちゃんじゃないもん!」と、わざとお母さんから離れて遊び始めて……。 何でも自分でやってみたいと思う子どもの気持ちを描いた絵本です。県内の図書館職員が「こどもにすすめたい本2017」に選んだ、幼児におすすめの一冊です。 |
五十嵐美和子作・絵 武田康男監修 PHP研究所 2019年
空に浮かんだ雲を見てみましょう。海の向こうにむくむくと空高く広がる大きな雲は、大雨を降らせたり雷を起こしたりする入道雲。大入道という大きなお化けが名前の由来です。動物園の上空に低く浮かんでいるのは、綿のようなふわふわの形の綿雲。遊園地の上空の高いところに並ぶ小さくて細かい雲は、魚のうろこのような形のうろこ雲。夕方や明け方になると、雲は太陽に照らされてオレンジ色や紫色などいろいろな色に変わっていきます。 様々な雲の形や特徴を、緻密な絵とともに紹介する絵本です。ページをめくるたびに場面が変わり、平地と山、晴れと雨など、場所や天気によって現れる様々な雲の名前や、雲の色が光によって変化することもわかります。読んだ後、親子で空を見上げて雲を観察してみてはいかがでしょうか。 |
安江リエぶん 田中清代え 福音館書店 2016年
きよの家族は、おじいちゃんもお父さんもお母さんも魚市場で働いています。魚市場に連れて行ってもらう約束の日、きよは朝4時に起きました。真っ暗な中、到着するとおじいちゃんが市場を案内してくれました。日本中から運ばれてきた魚やエビ、貝が入った箱があります。生きた魚を入れたいけすには鯛やカレイ、伊勢えび、タカアシガニも入っています。きよはおじいちゃんから、おばあちゃんの好きな金目鯛を見つけてほしいと頼まれ、金色の丸い目をした赤い魚を探し始めます。ところが、似たような魚が多くなかなか見つかりません。きよは無事に金目鯛を見つけることができるのでしょうか? 魚市場のしくみや船で魚が運び込まれる様子、せりの様子のほか、働く人々、市場で扱う色々な魚が丁寧に描かれ、活き活きとした市場の魅力を伝える絵本です。 |
大竹英洋文・写真 福音館書店 2021年
「もりは しずまりかえり なにも しゃべらないけれど」……。松の木にあいた小さな穴から、くりっとした黒い目玉が一つのぞいています。動物の瞳でしょうか。巣穴から、ちょこんと顔を出したアカリスが、じっとこちらを見ています。夕暮れが近づく森の中、薄暗い木立の奥には、立派な角のようなものが見えます。今度は何の動物でしょう? 大きなトナカイが現れました。トナカイも、じっとこちらを見ています。 北米の自然豊かな森に暮らす野生動物を写した写真絵本です。動物たちの眼差しが印象的で、まるで本当に目が合っているように感じます。どんな動物が出てくるのか、想像しながら読むのも楽しい一冊です。2歳頃から楽しむことができます。 |
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