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更新日:2024年11月25日

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2024年12月のおすすめ絵本

読み聞かせについて

読み聞かせは、情操教育においても、また集中力をつけるのにも有効であるといわれており、何より大好きな人に読んでもらった本とその先に広がる世界は子どもたちの心にしっかり残っているものです。
ここでは、それぞれ読んでいただく対象者別に本をセレクトしました。

(山梨県立図書館サービス課子ども読書推進担当)

パパに読んでもらいたい本

ゆき

ユリ・シュルヴィッツ作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房 1998年

2024年12月絵本1

「そらは はいいろ やねも はいいろ まちじゅう どんより はいいろです」。薄暗い空から、ひとひらの雪が舞い降りました。「ゆきが ふってるよ」。男の子が部屋の窓から外を指さして、にこにこしています。ひとひら、またひとひらと雪が舞い降りる中、男の子はマフラーを巻いて外に出て、犬と一緒に駆け回ります。「ゆきが ふってるよ」。行き交う大人たちは「どうってことは ないな」「すぐに とけるわ」などと言い、テレビやラジオも「ゆきは ふらないでしょう」と言いました。ところが雪は後から後から降り続け、男の子は大喜びで踊りだします。

雪が降るのを喜ぶ男の子を描いた絵本。雪化粧した街並みが美しく描かれ、冬におすすめの一冊です。幼児から楽しめます。

ちいさなろば

ルース・エインズワース作 石井桃子訳 酒井信義画 福音館書店 2002年

2024年12月絵本2

牧場で暮らす小さな黒いろばは、いつもひとりぼっちで寂しいと思っていました。ある日女の子たちから、今日はクリスマス・イブで、靴下をつるしておくと、サンタ・クロースが来てプレゼントを入れてくれると聞きました。ろばは、自分もプレゼントをもらえたらどんなにいいだろうと思いました。その夜、鈴の鳴る音で目を覚ましたろばの目の前にサンタ・クロースが現れ、「こまったことになったのだ」と言います。サンタ・クロースから、足を痛めたトナカイの代わりにそりをひいてほしいと頼まれたろばは、喜んでお手伝いすることにしました。

クリスマス・イブにプレゼントを配るお手伝いをしたろばに、サンタ・クロースがくれた特別なプレゼントとは。クリスマスに読みたい、やさしく温かなお話です。幼児から小学生向けです。

ママに読んでもらいたい本

あかいてぶくろ

林木林文 岡田千晶絵 小峰書店 2021年

2024年12月絵本3

小さな赤い手袋の右と左は、いつも一緒にいます。手袋たちは、外で雪遊びをするちびちゃんの両手をふんわりと包んで温め、雪遊びが終わると、毎晩ストーブの前で「ちいさな てが つめたくないように、あしたも ふわふわで いてあげようね」と約束します。しかしある日、ちびちゃんが右の手袋をなくしてしまいました。どこを探しても見つからないので、お母さんはちびちゃんに新しい右の手袋を編んでくれました。その頃、雪に埋もれかけていた右の手袋は、ウサギのお母さんに拾われ、子ウサギたちを温める帽子になっていました。

小さな赤い手袋の冒険を描いた心温まる絵本です。色鉛筆で緻密に描き込まれた絵は、手袋のふかふかした質感も感じられます。ウサギに拾われた右の手袋のお話はもう少し続きますので、ぜひ読んでみてください。

いっこでもにくまん

ふじもとのりこ作 世界文化社 2022年

2024年12月絵本4

ホカホカのおいしそうな肉まんが1個あります。「1こでも に(2)くまん」。数字の1と2が登場しました。赤いイチゴや緑色のキウイフルーツを生クリームではさんだフルーツサンドが2きれあります。「2こでも サン(3)ドイッチ」。数は3、4と増えていきます。

1から10までの数と一緒に、本物そっくりに描かれたおいしそうな食べ物が登場します。さて10個ではどんな食べ物が登場するでしょうか。次に出てくる食べ物を、親子で一緒に考えながら読んでも楽しそうですね。忙しい合間にも気軽に読むことができる3才から5才向けの絵本です。

じいじ・ばあばに読んでもらいたい本

ちいさいひなた

山田美津子作 佼成出版社 2022年

2024年12月絵本5

家の中に日光が差し込み、三角形の小さい日なたができています。そこへねこが一匹やってきて、ころんと丸くなって座りました。「ちいさい ひなた ねこの せなかに のっかった」。日なたはねこの背の上を照らしています。まるで日なたが移動してねこの背中に乗ったかのようです。時間が経つと、日なたは床の上を移動し、その後だんだん小さくなりました。「ちいさい ひなた つかまえた」。日なたが小さな手のひらの上にあります。つかまえようと、もう片方の手を重ねますが、日なたは重ねた手の甲の上にあって、つかまえることができません。

時間の経過とともに位置や大きさ、形が変わったり、なくなったりする日なたの不思議を子どもの目線で描きます。暖かい日なたが恋しい冬にぴったりの、幼児向けの絵本です。

こたつ

麻生知子作 福音館書店 2020年

2024年12月絵本6

大晦日の朝、「ぼく きょうは、よなかまで おきているからね」と言い、こうたの長い1日が始まりました。おばあちゃんとお母さんは買い物や掃除などで慌ただしく動きまわっています。「こうちゃん、しゅくだいは?」「うん、いま やる」。こうたは宿題をさぼってこたつでゴロゴロしたり、おせち料理の手伝いをしたりして過ごします。夕ご飯に年越しそばを食べて、お風呂に入ったら、除夜の鐘が鳴るのを家族で待ちます。

新年を迎える準備で忙しい大晦日の一日の、家族の動きや団らんの様子を、こたつの真上から定点観測で描いた絵本。こうたと両親、祖母と猫のクロを中心に、くるくると変わる人や物の絵を見て、誰が何をしているか想像して楽しむこともできます。小学生向けの絵本です。